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所有者不明の空き家が増え続けている?行政の対応は?

所有者不明の空き家が増え続けている?行政の対応は?

地方などで山林などの土地を多く所有している人が亡くなった場合、所有する不動産の調査をすると相続登記が行われておらず、所有者が祖父や曾祖父、高祖父などになっているケースや、抵当権が設定されている土地もあることで驚くといったケースもあるようです。
増え続けた法定相続人の中には、一度も会ったことや面識のない人も含まれているケースもあり、すんなりと遺産分割協議に応じてもらえれば良いですが、そうでない場合もあります。
権利部分の登記は義務ではありませんので、このように前の所有者が亡くなっても相続登記が行われないままになっている土地は少なくありません。
そして登記が行われていないことで問題を深刻化させているのは、誰が所有者かわからない土地の存在です。

所有者不明の土地ってどのくらい?

民間有識者で形成されている「所有者不明土地問題研究会」の調査によると、現在所有者不明の土地は全国で約410万ヘクタールあるとの推計が公表されています。
これは九州を上回る広さで、全体の2割の土地の筆数に該当しますが、今後、2040年にはこの数字が720万ヘクタールまで達するとも考えられているようです。

所有者不明の土地問題が顕在化したのはいつ?

所有者不明の土地問題が顕在化したのは、2011年3月に起きた東日本大震災です。
原発事故で生じた除染廃棄物を保管するための中間貯蔵施設予定地がある福島県では、地権者約2,400人の半数の行方が分かっていません。今の時点でも確保できた用地は4程度で復興が進まない状況になっています。
土地の位置や形状を把握するために活用できる精度の高い地図は、福井地方法務局に管理されているもので21%程度となっており、ほとんどが明治時代の地租改正の際に作成されたものをベースにしています。
現状と図面との差や、所有者が明確でないことなど、融資や売買に影響を及ぼす問題となっている状態です。

所有者不明の家はさらに問題が・・・

所有者不明の問題は土地だけでなく建物でも同じです。
何十年も無人の特定空家等に指定された空き家を行政が取り壊すことになれば、所有者の調査から取り壊すまでにかかる準備など様々な手間が掛かります。
所有者が不明で既に亡くなっている場合など、戸籍情報から相続人を推定し、相続放棄などの手続きをしてもらうことが必要になるでしょう。

所有者も相続人も見つからなければ?

空き家の相続人が見つからないケースでは行政も手出しできませんので、もし周辺住民から苦情を受けたとしてもバリケードで囲うことしか方法はありません。
このような事態を招かないためにも、空き家管理は所有者の義務であることをそれぞれが認識しておくことが必要です。

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