実は江戸川区は台風や高潮による水害、地盤沈下で土地の水没、そしてそれに立ち向かう人たちが、放水路の開削や堤防改修、埋め立てを行ったという水と闘ってきた歴史があります。
地盤沈下による土地の水没が・・・
明治時代から少しずつ始まった葛西沖地域の地盤沈下は、大正期から昭和期に入ることで急速に進行していきました。江戸川区中葛西では1年でなんと23cmという沈下を観測したとも言われていて、これによって178haの民有地が水没しました。
過去には150回という出水があった荒川
江戸開府から明治年間に至るまで、荒川の出水は150回にのぼったという記録もあるようで、明治40年では下谷、浅草、本所、深川の4区で約6万戸に対して水による被害を与えたと言われています。
それにより、明治44年には改修工事が始まり、荒川放水路の開削が計画されました。現在の北区岩淵から千住の北部を迂回して、綾瀬川と中川を分断し、東京湾に注ぐ22kmに及ぶ工事です。この工事は20年の歳月をかけて昭和6年に完成しています。
台風により平井・小松川地区は多大な被害が及んだことも
昭和22年に発生したカスリーン台風では、利根川の堤防が栗橋上流で決壊し、濁流が小岩、船堀に達しました。
翌々年の昭和24年8月31日、キティ台風の上陸が満潮と重なったことで、大正6年以来の高潮に舞われてしまいました。中川堤防や新川堤が溢れ破壊し、葛西海岸堤も決壊するという最悪の事態が起きています。
特に、平井・小松川地区は、堤防が決壊したことで出水が中川の水位と同じになり、一向に減る気配がないまま豪雨が追い討ちを掛けたことで水位が高まり、多大な被害を及ぼしました。
液状化被害が起きる可能性は?
そして毎年のように全国各地で液状化被害が報告されています。液状化現象とは水分を多く含む砂質地盤に起こる現象で、通常は地盤が緩くても砂粒子同士がくっついて地盤を作っているので、土地の上に建物が建っていても支えることができています。
しかし地震が起きた時など、砂と水分が分離することで水が地面まで上がってきてしまう現象を起こしてしまいますので注意が必要です。
液状化予測図からもリスクの確認を!
この液状化のしやすさやしにくさを地図上で色分けして示した「液状化予測図」というものがあります。なお、液状化予測図は東京都建設局のサイトから確認できます。
[東京都建設局 東京の液状化予測図 平成24年度改訂版
http://doboku.metro.tokyo.jp/start/03-jyouhou/ekijyouka/yosokuzu.aspx]
最新版の予測図を確認すると、東京23区の東部に位置する足立区、葛飾区、江戸川区をはじめとする荒川周辺、隅田川周辺、東京湾岸地域は、「液状化の可能性が高い地域」「液状化の可能性がある地域」が多く集まっています。
この点も踏まえて、平井を含む江戸川区の地盤については理解しておく必要があるでしょう。
コメント