先日、平井のとある土地の売買の仲介をしました。私道の奥にある土地です。公道に出るまで私道を歩いてでなければいけません。
私道の持ち主は、一人の方が私道を全部持っているときもあれば、私道に面した土地の方々が、分割して複数人で持っているときもあり様々です。私道に面した土地の不動産の売買では、買主から、公道に出るまでのすべての私道所有者から、私道を通っても良いという承諾を書面で取り付けて来なさいと言われることが多いです。不動産業界では通行承諾と言われる書面です。
今回、当方で売買の仲介をした土地は、公道に出るまでの私道を複数名で持っている形式の物でした。通常、通行承諾は、売買する土地を測量する測量屋さんが、測量業務の一環で取り付けてくれる事が多いです。今回も測量屋さんへ取付の依頼をした所、私道の所有者全員からの取付は難しいと言われてしまいました。その測量屋さんは、今回 売買する土地の隣の土地も測量した方でした。地続きの土地なので、同じその測量屋さんへ頼めば測量が円滑に進むと思い、その方へ頼んだのでした。私道の持ち主の方で、連絡のつかない方がおり、通行承諾の書面を取付できないと言われました。
その連絡のつかない方へは、測量屋さんではなく当方が承諾書の取付に行くことになりました。その方は、東京の近県にお住まいの方でした。その方の住所は分かりましたが、電話の連絡先は分かりません。私道を通らせてもらう承諾書に署名捺印を頂きたい旨、書面にしたため、その方を直接 訪ねることにしました。その方の家に着き、インターフォンを鳴らしましたが、お留守でした。通行承諾を頂きたい旨書いた、手紙をその方の郵便受けに投函し、その日は帰りました。
数日して、再度、その方を訪問しました。訪問したところ、今度は、在宅されておりました。承諾書の内容を説明し、また当方が、その土地のある平井で長年 不動産屋を営業してきた旨話すと、その方は安心され、通行承諾書に、署名してくれました。
帰り際、手土産として準備していた菓子折りを、その方へ渡しました。菓子折りは、平井のとあるせんべい屋で買った旨を告げ、そのせんべい屋の名前も告げました。
今回の承諾書の件、その方の奥様も一緒に応対していただいておりました。そのせんべい屋の名を告げたところ、なんと、なんと、なんと、そのせんべい屋は その奥様の妹さんが嫁がれた店だと言うではありませんか。あまりの偶然、ご縁、そして承諾書を無事頂けたと言う安堵から、涙が出て来ました。
それから数日して、また そのせんべい屋さんへせんべいを買いに行きました。奥様がいらっしゃいました。お姉さんに会ったこと。その顛末をお話しました。
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