マイホームを購入する場合、現金一括ではなく購入物件を担保にして住宅ローンを利用するという人がほとんどだと思います。
住宅ローンで金融機関から融資を行う上で物件には抵当権が設定されますが、仮に返済が滞った場合には、債権者である金融機関は裁判所に申立てを行い、強制的に換価処分に踏み切る不動産競売が開始されます。
入札する場合には売却基準価額の20%相当額を振込んだ後で入札する手続きを行うことになりますが、この売却基準価額はどのように算出されるのか、入札において注意したいことなどを確認しておきましょう。
入札可能な物件はどこで確認できる?
不動産競売は一般的な既存住宅や土地などの売買相場より安く入手できる方法ですが、まずは期間入札が公告され、後に物件について2週間程度で閲覧期間が設けられます。
現在、全国の裁判所の物件は「不動産競売物件情報サイト(BIT)」で公開されていますので、ネット上で物件明細書、不動産評価書、現況調査報告書を確認することができます。
ただし注意したいのはBITでは固有名詞などが黒塗りになっているため、入札したい物件は裁判所で閲覧確認が必要です。
入札はいくらから可能?
入札する場合、指定された期間で「売却基準価額」の20%相当額となる保証金を振込み、振込んだ証明書と入札書、一定の添付書類を裁判所に提出します。
重要になるのはいくらで入札するのかという部分ですが、売却基準価額から20%分を差し引いた額が「買受可能価額」ですので、それ以上ならいくらで入札しても良いと言えます。
売却基準価額とは?
評価に基づいて裁判所が定める競売不動産を売却する基準になる価額です。
競売が申し立てられた場合、裁判所の執行官と不動産鑑定士が対象となる物件を調査し、評価価格を設定します。
設定された評価書を基準にして、裁判所は売却基準価額を決定するという流れです。
・売却基準価額の目安
通常であれば市場価格の4~5割が売却基準価額となりますが、事前に物件の中を確認できない不利な条件であることが考慮されての価格です。
競売になると売却基準価額よりもさらに2割低い金額から入札できるので、上手くいけば安く手に入れることができる可能性があるでしょう。
おどろくほど安い売却基準価額には注意!
BITには売却基準価額が1万円という中などが時々掲載されていることもありますが、管理費や修繕積立金などの滞納額で実質的な評価がマイナスになることから、制度上の最低価格の値が付けられていると言えます。
もし1万円で落札できても、購入後に数百万円といった滞納管理費などの支払いが必要になることが多く、保証金を振込んで入札・落札した後で、滞納額の数字を知り保証金を放棄して辞退する例も多く見られます。
あまりに売却基準価額が安い物件の場合、目先の安さには飛びつかない方が良いと言えるでしょう。
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